山歩きで健康〜山菜編では、山菜採りのご紹介をしながら山歩きと春山の魅力についてご紹介しています。山菜を探しながら春山の息吹を胸いっぱいに吸い込みましょう。山菜採りで春の旬を持ち帰り、春繚乱の夕間暮れに気のあう仲間と山菜で乾杯!

山菜

福寿草

私は、山歩きが大好きです。

山歩きといっても、収穫を伴う山の散歩、つまり山菜採りのことです。

山菜のメイン・シーズンは春と秋です。

山菜採りは、山の見立てから、料理の方法まで、大変奥が深いので病み付きになります。

また、健康増進、ストレス解消、無料の食糧確保で一石三鳥の役目を果します。

山で自分の山菜畑を持つのは楽しいですよ。

新しい山菜畑を発見したら、自分だけの秘密の手帳に、念入りに書きとめましょう。

山菜の畑を発見した日付、場所、目印、山菜の名前、特徴、そして収穫量などなど、これらを漏らさず記録します。

山菜畑のありかは親、兄弟でも決して教えてはいけません。

答えは簡単、山菜がある畑を人に教えるということは、その人を介してまた別の人へ伝わる可能性があり、貴方の山菜畑が、他人に荒される惧れがあるからです。

貴方の山菜畑は、貴方だけの宝でなくてはなりません。

ケチと言われようが何と言われようが、それが山菜採りの鉄則です。

私は、子孫が食逸れしないよう、遺書に山菜の畑のありかを書き留めた、秘密の手帳を付け加えようと思っています。

冗談はここまでにして、そろそろ本題に入りましょう。

このページでは、春の代表的な山菜の特徴、見つけ方、料理方法などをご紹介します。

貴方のお目当ての山菜が、あれば光栄です。

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フキノトウ
冬の厳しい寒さもようやく緩みはじめて、山の雪も徐々に融け始め、日増しに春めいてくると心もうきうきと躍りだします。

山菜のなかで、真っ先に手にするのはなんといっても、フキノトウでしょう。

比較的まだ寒い時期でも、一時的な暖気で気温が上がると、山の湧き水で積雪が溶けた、山の斜面などにひょっこり顔を出します。

フキノトウの調理方法はシンプルが一番!私のおすすめは、湯がいて細かく刻んだ酢味噌和えです。

また、湯がいたフキノトウを、フライパンでキンピラ、若しくは天ぷらにして、塩で食すのもおつ味がします。

フキノトウ独特の香りとほろ苦さのなかに、長い冬をじっと耐え抜いた、春の息吹がぎっしり詰まっています。

クサソテツ

クサソテツ
「コゴミ」という、別名の方が呼び習わされていて、わかりやすいでしょうか。

食べごろ期間がたいへん短い山菜なので、ぼやぼやしてたら、クサソテツもすぐボヤボヤとほうけてしまいます。

塩と一緒に湯がくと、とても鮮やかな緑色に変わります。

みかけによらず、くせがないので、あく抜きは必要ありません。

山の奥地のものは大変太くて、柔らかく食べ応えがあります。

胡桃あえ、胡麻あえが美味。

先が開いてしまったものは、山菜としての利用価値がなくなりますので、くれぐれも時機を逃がさないように!

ヤマウド

ヤマウド
谷川の粘土質を若干含む山の急斜面などによく自生している山菜です。

ヤマウドを見つける時は、まず去年の残骸がないか辺りを探します。

去年、幸いにして、大木に成長したのであれば、残骸が横たわっています。

1本見つけたら、その周辺の表土をささっと払ってみます。

ヤマウドの場合、地表にほんのちょっとしか顔を出していなくても、掘り下げればかなり太いものもありますので、見逃してはなりません。

ヤマウドを採取する時は、決して根ごと引っこ抜いてはなりません。

そんなことをすると、来年貴方の山菜畑は不作になります。

カッターナイフで、根のすぐ上を「サクッ」(私はこの音がとても好きです)と切り離しましょう。

ここで探し方のコツを、一つご紹介します。

上から下を見下ろして探すより、下から上を見上げて探したほうが、見つかりやすい山菜です。

若いヤマウドは、皮も葉っぱも全部食べることができます。

湯がいて酢味噌あえが私の好みですが、若くて太いものであれば、皮をむいて生で食べても甘くて美味しいです。

まだ葉っぱの開かない、先端部分の若芽は、味噌汁の具にすると苦み走ったうどのコクを楽しめますよ。

タラノメ

タラノメ
山菜の王様などと呼ばれています。

そのせいでしょうか、タラノメの若木が無残に切り取られている光景をよく目にします。

何もそこまでして独り占めしなくてもいいのに。

タラノメは、とげがたくさんついた、タラの木の最先端についているので、ゴム手袋が必要です。

とげを刺してしまうと、その瞬間の痛みに留まらずしばらくズキズキやむので、山菜取りどころではなくなりますから慎重に。

天ぷらにして、天つゆと大根おろしでいただくと病みつきになります。

塩であっさりいただいても、上品な味がして大変結構。

コシアブラ

コシアブラ
最近、これにはまっていまして、私の中での食感は、山菜の王様「タラノメ」の上をいきます。

2年前に秘密のありかを発見しました。

コシアブラの木は1本だけですが、近くにハリギリの木が数本あり、一緒に収穫できる楽しみがあります。

樹齢何年くらいなんでしょうか、かなり太くて高さもあります。

和え物やお浸しで食べる方法もあるそうですが私はてんぷら以外は興味がありません。

(単純な食べ方ばかりですみません)サクッサクッと歯ざわりがよく、とても上品な香りがします。

若干苦味がありますが、この苦味が油と溶け合い絶妙なコクを醸し出しているような気がします。

私の宝の木ですから、傷をつけないよう、採りすぎないよう細心の注意を払って、頂芽だけをいただきます。

カタクリ

カタクリ
カタクリは、可憐で美しいばかりではなく、山菜としての一面も持ち合わせています。

眺めているだけではもったいないので、食べてみましょう。

球根部分まで食べてしまえば、来年は楽しめなくなるので、球根には手をつけないこと。

酢を使って和え物にするのがおすすめです。

花の淡いピンク、葉の緑、根元の白が酢によって更に色艶やかに引き立てられます。

カタクリは、便秘の薬でもありますから、食べすぎには注意!・・・・下痢になってしまいます。

モミジガサ

モミジガサ

葉の形がもみじの葉にそっくりな山菜で、別名「シドケ」とも呼ばれています。

モミジガサは、昨今、なかなかお目にかかることができないとても貴重な山菜です。

私も、モミジガサの畑は、数箇所しか押さえておりません。

今年、産直で売りに出されていた苗を買い、家の庭に植えました。

高いですよぉ、モミジガサの苗は。

ひょろひょろの苗が2本で300円もしました。

モミジガサは、癖のある山菜で好き嫌いはあるでしょうが、左党なら一度食べたら忘れられなくなります。

特に、日本酒とのソリはドンピシャです。

シンプルにお浸しがおすすめです。

「お前は酒の肴しかわからんのか」その通りです、ごめんなさい。

ミヤマイラクサ

ミヤマイラクサ
別名「アイコ」ともいいます。

全体を覆う細かい刺毛に触れると、痒いやら痛いやら、しばらく悩まされることになります。

山菜には珍しく、癖も苦味もなく、むしろ甘味さえ感じるくらいです。

一つ二つ見つけることができたら、周囲をゆっくり見渡してください。

群生している可能性が高いです。

湯がいてカラシ醤油あえがおすすめです。

なお、チクチク刺毛は、湯がくと自然消滅しますのでご安心ください。

イタドリ

イタドリ
繁殖能力が旺盛で、至る所に自生しています。

但し、道路端に生えているものは、細く硬くて食用には適しませんので、山菜としては利用しない方がいいかと思います。

山奥に自生している茎の太いものを利用します。

高さは精々50cmくらいのもので、上部30cm程度を折り取ります。

片手で「ふし」の部分を順手で握り、手首を支点にスナップを利かせてもぎ取ります。

もぎ取る際「スカッ、ポッ」(私の耳にはこう聞こえます)という小気味よい音が響きます。

別名、スカンポといいますが、この音に由来する呼び名でしょうか。

イタドリの油炒めは絶品ですよ。

あく抜きのための、下ごしらえが一寸面倒ですが油炒めの旨さを思い浮かべれば我慢できます。

新聞紙の上で塩を振りかけ、揉みしごいた後で、茹で上げれば完璧です。

ヨブスマソウ

ヨブスマソウ
別名「ボンナ」と呼ばれています。

ヤマウドが取れだす前から散見されますが、もう少し大きくなってから、ご馳走になりましょう。

でも、後で、誰かに採られるのが不安であれば、お持ち帰りをお勧めします。

ヨブスマソウは小さくても、味はしっかり出る山菜です。

湯がいてお浸しがポピュラーな食べ方です。

ウワバミソウ

ウワバミソウ
別名「ミズ」「ミズナ」と呼ばれています。

日陰の湿地帯などに、群落を作っています。

秋まで利用できますが、なんといっても、出始めの頃の柔らかいものが、山菜としては旬です。

採取するときは、片手で根を抑えながら、もう一方の手でポキンと折ります。

くれぐれも、根こそぎ持ち帰らないように注意しましょう。

間違えて根も引き抜いてしまったら、根だけ元の場所に返してあげましょう。

家に持ち帰ったら、皮をむいて、食べやすい大きさに手で千切ります。

上についてる葉っぱを、下にゆっくり引っ張ると皮も一緒に剥けてきますのでお試しあれ。

油炒め、お浸し、お汁の具などに利用できます。

あと、「ミズたたき」といって、ウワバミソウの赤い根に近い部分と山椒を、すり鉢で擂ったものを「とろろ飯」感覚で、熱々のご飯にかけて食べるとおいしいです。

私の子供の頃は貧乏でしたので、しょっちゅうこれを食べさせられていましたが、大人になっても不思議と飽きません。

秋になると、花が咲いた後にムカゴ(肉芽)ができますが、これを湯がいて辛子醤油であえたものは酒の肴にぴったりです。

ウルイ

ウルイ
比較的、山の高いところに生えている山菜なので「ウルイは体力勝負だなぁ」と思っていました。

ところが、3年前に平地の湿地帯で広い群生地を発見することができました。

ウルイは、有毒のバイケイソウと間違えられやすいので、用心が必要です。

若芽や葉柄を食べますが、味や香りにクセがなくシャキシャキとした歯ごたえがあり、特有のヌメリも旨味のひとつです。

お浸し、汁の具などに利用できますが、私のおすすめはウワバミソウとの一夜漬けです。

歯触りはシャキり、ヌメリが尾を引く旨さ、堪えられません。

家の庭にも栽培していますが、栽培物は天然物と比べ、苦味が強く、甘味も弱いです。

以上、山菜の田舎での食べ方をご紹介いたしましたが、スーパーなどで見かけたら、是非試してみてください。

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