タバコの起源のページでは、タバコの起源から中世までのタバコを取り巻く世相をご紹介しています。タバコの起源は今から3000年前のマヤ文明まで遡るといわれております。タバコの起源発祥地中南米インディオの人々のタバコと喫煙の捉え方などをご紹介しています

タバコの起源 マヤ文明

禁煙と健康のページ挿絵2-1

当初、タバコの葉以外の香草を使った喫煙習慣が、アジアからヨーロッパにかけて広範囲に存在していたようですが、その起源は未だ解明されていないようです。

但し、タバコの葉を使った喫煙習慣の起源であれば、それはマヤ文明だといわれています。

紀元前1000年頃のマヤ文明において、森林に自生していたタバコ草を利用して、喫煙が行なわれるようになったのが、タバコの起源といわれています。

タバコ草の原産地は、南米アンデス山脈の高原地帯で、ボリビア南部からアルゼンチン北部と推定されています。

マヤ文明の起源創生者、偉大なインディオの人々は、万物に生命を授ける太陽を崇拝し、その属性である火や煙を神聖なものとして崇め、タバコを吸うことによって神聖な火の神が体内に宿ると信じていたようです。

起源当初のタバコは、現在のような嗜好品としてではなく、祭事儀式のツールとして用いられ、タバコから立ち昇る煙の様相などで神託を得ようとしたり、作柄の良し悪し、吉凶を占ったりしたといわれております。

また、病には悪霊が取り付いていると信じられタバコを使った喫煙によって、その呪縛から開放されるとも考えられていたようです。

更に、時代が進むと、タバコの役割は精霊と人間との呪術的な媒介物としての役割にとどまらず仲間内の絆を深めるためタバコを回し飲みして、精霊を交え、約束事・役割を相互に確認しあったり、果ては、部族間の争いごとに終止符を打つ手段としても、タバコが用いられたといわれています。

タバコの起源 大航海時代

こうして、タバコは長い間ネイティブアメリカンだけの習慣にとどまっていましたが、1492年大航海時代の山師クリストファー・コロンブスが、時のスペイン王イザベル1世を拝み倒し、3艘の船団と100人程度のクルーを従え、2ヶ月強の航海の末、やっとのことでカリブ海に浮かぶ、バハマ諸島のとある島に上陸したことを機に、タバコは世界中に知れ渡ることになります。

ネイティブ・アメリカンに起源をもつタバコはヨーロッパに新世界発見の起源をもたらしたコロンブスを介し、その後たった100年足らずで、日本にまで伝えられることになります。

先住民のインディオと接触したコロンブス一行が、友好の証として、スペイン本土からの装飾品や鏡を差し出したところ、インディオは、果物や民芸品のほかに、香りの高い乾燥したタバコの葉を一行にプレゼントしたとされています。

禁煙と健康のページ挿絵2-2

当初、彼らは葉っぱの正体も用途も、全くわからなかったそうですが、その後キューバ島に移動して、島の人々が喫煙する姿を目の当たりにし、ようやくタバコの葉の使い方について合点がいったそうです。

ところで、タバコの語源にはいくつかの説があるそうですが、皆さんご存知でしたか。

@起源当初の先住民が使用していた、先が二又になったパイプの名前「トバコ」に由来するという説。

Aそのパイプに形が似た島をコロンブスが「トバコ」島と名づけ、その島に自生していたタバコ草を、その島の名前にちなんでタバコと呼んだとする説。

Bメキシコ・タバスコ地方に生えていた、起源当初のタバコ草をタバスコと呼んでいたが、後にタバコと呼び慣わすようになったという説。

Aが有力だとされていますが、なんだか紛らわしいですね。

ともあれ、大航海時代におけるヨーロッパ列強のアメリカ大陸植民化を切り口として、ジャガイモやトウモロコシなどの穀物類に加え、タバコもヨーロッパに広く移出されていきました。

最初のうちは、タバコの花の可憐さがもてはやされ、観賞用として愛でられたと記録に残っていますので、タバコの喫煙習慣が根付くまではある程度時間がかかったようです。

ヨーロッパの人々が、これまで目にした事がなかったタバコは、宝飾品と同等の価値があるものとされ、高い値で売り買いされたそうです。

タバコがヨーロッパに普及した当初は、精神を落ち着かせる鎮静剤、タバコを吸えばペストにもかからない、挙句の果てには万病に効く薬などとまでいわれていたようです。

つまり、現代のようにタバコは嗜好品としてではなく、医薬品として認知されていたんですね。

また、タバコは家庭の常備薬として、子供たちまで利用していたといわれています。

ペスト治療との大義名分で、イギリスの小学生はパイプとタバコを必ず持って登校し、授業の間の休み時間には、先生の指示のもと一斉にパイプのタバコに火をつけたそうです。

禁煙と健康のページ挿絵2-3

タバコは、学校の先生もお医者さんも、公認の優れものだったわけです。

今の私たちの常識では、とても考えられないことですね。

このように、喫煙が葉巻やパイプで行なわれているうちは、手間がかかるので現在の紙巻タバコと比べ、喫煙回数は少なかったであろうと推測できます。

その上、高価で医薬品とくれば、タバコは1日に何十回も吸えるような代物ではなかったはずですよね。

結果として、現代のように、タバコの健康被害が云々されることは、少なかったと思われますがいかがでしょうか。

たとえペストに効くといわれても、大人の健康被害が露見していたら、子供に吸わせるわけはありませんよね。

いずれにせよ、起源当初から中世までのタバコの扱いは、健康を害する忌むべきものと白眼視されている、現代のものとはずいぶん違っていたようです。

愛煙家にとっては、タバコがもてはやされた古きよき時代といえるでしょうか。

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