大葛温泉ベニヤマ荘
大館市比内町大葛にある大葛温泉は、米代川の支流、犀川沿いに佇む山間の温泉場で、大館・鹿角両市からアクセスできます。

大葛温泉周辺は、かつて金山として豊富な産出量を誇り、その産金は、奈良の東大寺や京都の金閣寺建立のため、中央に献上されたと言い伝えられています。
しかし、昭和50年には鉱量の枯渇により閉山を余儀なくされ、現在では閑散とした町並みになってしまいました。
大葛から鹿角市へ向かう県道比内大葛鹿角線沿いに、墓石数300余りの墓地がありますが、ここにはかつて金山に従事した方々とそのご家族が眠っています。
全国を股にかける金堀大工の渡世は、友子(ともこ)という深い契りで結ばれた親分・子分の世界。
ここには墓標に「親分」「子分」「舎弟」などと記された友子の墓が数多くあり、往時の盛況振りを窺い知ることができます。
関心のある方は、ベニヤマ荘真向かいにある「大葛金山ふるさと館」で資料を閲覧できますよ。
さて、大葛温泉には町営(市町村合併したから今は市営かな?)の「大葛温泉」と市営の「ベニヤマ荘」がありますが、今回は後者のご紹介をします。
ちなみに、「大葛温泉」もいいお湯ですよ、入浴料は100円!、石鹸・シャンプーは置いてませんが熱いお湯で、湯上りは身体がスゥーとします。
大葛温泉「ベニヤマ荘」のプロフィール
【住所】秋田県大館市比内町大葛字金山沢口5番地
【電話】0186-57-2324
【泉質】カルシウム硫酸塩泉PH 8.8
【日帰入浴料】税込200円(2006年12月現在)
【効能】動脈硬化症・慢性皮膚病など

東北自動車道を鹿角八幡平ICで降りて、282号線とぶつかる信号を左折し、3分くらい走行すると、右手に米代川に掛かる川部橋が見えてくるのでこの橋を渡ります。
橋を渡り右折した後、直進して10分位の鹿角と大館の境にあるトンネルを抜けたところが上の写真です。

もう5分くらい走ると、左手に「大葛温泉」が見えてきます。
到着しました、トット君が書かれた看板を見かけたら左折です。
敷地内には宿泊体験ができるコテージも設営され、学校の課外授業などでよく活用されているようです。
ベニヤマの名の云われはベニヤマ桜、春は新緑の緑が萌える山間に、白やピンクの清楚な桜の佇まいをご覧頂けますし、紅葉の時期の散策も素敵ですよ。
ベニヤマ荘は、大館市が運営する保養施設、無色透明・無味の微かに硫黄臭がするPH8.8のアルカリ温泉で、湯触りは大変柔らか。

入浴料が200円にも拘らず、ボディーソープやシャンプー、シャワー、ドライヤーまで備え付けてあるんです、これって今時すごいと思いません?

ライオンの口からドバドバ流れているお湯は飲用可で、胆嚢炎、胆石症、便秘、肥満、痛風などに効果があるそうです。
浴槽内のお湯はオール掛け流しではなく、半循環して使用しているそうで、およそ秘湯とはかけ離れた存在ですが、何も源泉掛け流しにこだわる必要はありません。

ベニヤマ荘のお風呂は、適度な温度と仄かな温泉臭、そして何より清々しい谷間の風情に於いて、市街の温泉場とは一線を画しているので、骨休みにはぴったり。
一人で文庫本を携え、部屋を借りて過ごす休日は日々の喧騒から開放される至福の時間。
それに、この辺一帯はネマガリとキリタンポ鍋には欠かせないネズミ(ギンタケ)など山菜ときのこの宝庫、おまけに運がよければ太くて短い貴重なニョロニョロにもお目に掛かることができます。
「ニョロニョロって何、それをどうするの?」、今度くわしく説明しますね。

話はだいぶ逸れてしまいましたが、私にとって大葛温泉のベニヤマ荘は道楽の大事な拠りどころ。
これからも地域住民の福祉に鋭意貢献されることを切に願うものであります。