受動喫煙のページでは、喫煙者を取り巻く周囲の方々の受動喫煙による健康被害についてご紹介しています。タバコの副流煙に晒されることにより受動喫煙の健康被害が発生します。受動喫煙の元凶である副流煙には主流煙の3〜5倍の有害物質が含まれています。

受動喫煙

貝桶

タバコには、様々な有害物質が含まれています。

タバコによる害は、喫煙者自身の健康問題であるとともに、タバコの煙に晒される周囲の人々の健康問題でもあります。

自分の意に反して、喫煙者によりタバコの煙を吸わされることを、受動喫煙と呼んでいますが、喫煙者には受動喫煙の健康被害が周囲に及ばぬよう細心の注意を払うことが要求されます。

このページでは、受動喫煙について考えてみたいと思います。

喫煙者が、タバコを通して直接吸い込む煙は主流煙、タバコの火がついている部分から立ち昇る紫の煙は、副流煙と呼ばれています。

この副流煙により、受動喫煙が引き起こされますが、この煙に含まれる有害成分の濃度は、主流煙のそれより高いことが明らかにされています。

主流煙は、タバコのフィルターを通過するのである程度濾過されますが、副流煙は、直に人体に触れることになるので当然といえます。

文と扇

主流煙に含まれる有害成分量を1とすると、副流煙に含まれる有害成分量はニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍であることがアメリカの健康教育福祉省の調査データなどで判明しており、受動喫煙の深刻さが浮き彫りにされています。

喫煙者は、自らの意思(というよりニコチンの呪縛でしょう)でタバコの有害成分を吸い込み、疾病などのリスクを抱えることになるので、ある意味では自業自得といえるでしょう。

これに対して、副流煙に晒されて已む無く受動喫煙させられている周囲の人間は、喫煙者が背負い込む3〜5倍のリスクを、意思に反して甘受しているのですから、これはもう不条理極まりない話になります。

木瓜

一昔前テレビのドラマなどで、喫茶店などで相席する場合、タバコを吸う側が「タバコを吸ってもいいですか」と、同伴者にことわりを入れる場面がありましたが、受動喫煙など喫煙に対する健康被害が問題になっている昨今、相手の方が同じ喫煙者でない限り、こんなことを口にしたら間違いなく常識を疑われます。

「貴方は、『僕がタバコを吸うと君は健康を損なうことになるけれど、それでもいいかい。

』ておっしゃっているの」と切り返されても、それは至極正論であります。

世の中挙って分煙が進み、受動喫煙のリスクはかなり減ってきましたので、大変素晴らしいことだと思います。

受動喫煙の急性症状

タバコの主流煙はPH5程度の酸性ですが、受動喫煙被害を招く副流煙は、PH9程度の強いアルカリ性で、ニコチンが強く作用する刺激の強い煙であるため、喫煙者の近くで受動喫煙の被害にあうと、粘膜が直接刺激されて目がチカチカしたり、せきやくしゃみが出たり、鼻がむず痒くなったりと、いろいろ不快な症状がでてきます。

めだか

これらの不快な症状は喫煙を習慣とする人よりも、タバコを吸わない人、つまり受動喫煙の迷惑を被る側の方に、強い反応が出ます。

タバコを吸わない人は、常習喫煙者よりタバコに対する免疫がないわけですから当然ですが、受動的に喫煙させられる側にすれば、憤まんやる方のない話になります。

人がいるところでは、タバコはご法度です。

受動喫煙による健康被害

長年に渡って受動喫煙を受け続けると、主に次のような病気に罹ることがわかっています。

肺がん

肺がんは、症状がでにくい病気だそうです。

一日20本タバコを吸うご主人の奥さんが、受動喫煙により肺がんに罹る確率は、非喫煙者の奥さんの約2倍といわれています。

次のような症状があり、受動喫煙被害に心当たりのある方は、医師の診断を受けることをお勧めします。

なかなか治りにくい咳 肺がんが気管支や肺を刺激して出る症状
血痰 肺がんで気管支が傷ついて出る症状
胸痛 肺がんで肋間神経が刺激されて出る症状
呼吸時のぜーぜー音 肺がんにより気管支が塞がれて出る症状〜肺炎・気管支炎を誘発する
顔や首のむくみ 肺がんにより大静脈が圧迫されて出る症状
食欲減退、体重減少や疲労感 肺がんが進行し体力が減退して出る症状

風鈴

虚血性心疾患

心臓の病気で冠状動脈の狭窄、閉塞などによって、心筋が酸欠状態になることにより引き起こされる、狭心症と心筋梗塞のことをいいます。

詳しくは「タバコと病気」のページをご覧ください。

副鼻腔がん

鼻の穴の奥に広がる、左右対称四つずつの空洞の部分にできるがんです。

初期症状はほとんどなく、がんが進行すると鼻づまり、鼻汁、鼻血などの症状が出ます。

子供への影響

呼吸器感染症・気管支喘息の発病、妊婦が喫煙した場合の低体重出産・早産などがあります。

喫煙者の愛する家族、職場の同僚、ましてや面識のない第三者が、喫煙者の道楽のタバコで迷惑を被ったり、病気に罹るなど決してあってはなりません。

受動喫煙の被害に巻き込まれる側は勿論、加害者である喫煙者自身の心にも、取り返しのつかない深い傷跡を残すことになります。

タバコを吸う方は、受動喫煙の被害を引き起こさないように、自分からお手本にならなければなりません。

でも、やっぱり禁煙するのが一番です。

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