禁煙方法

ニコチンは、薬物であり、常習喫煙者の喫煙行為は生活習慣に根付いたものですから、常習喫煙者が、禁煙方法を模索しながら、タバコと縁を切るためには、さまざまな心理的かつ生理的な不快症状に耐え、ニコチンの離脱症状を克服することが必要になります。
ニコチンの離脱症状は、禁煙開始から2〜3日がもっとも強く、ほとんどの場合は1週間程度でなくなりますが、2〜3週間継続する場合もあります。
ただし、その場合でも、不快症状は徐々に弱くなっていきます。
離脱症状としては、落ち着きがなくなって集中力が低下する、些細なことにも欲求不満になり、怒りを表面化させる、身体がだるく眠気がする、頭痛がする、便秘になる、不眠に悩まされるなど、いろいろ不具合が出てきます。
そんな時は、決して、不快症状と正面から向き合おうとしてはいけません。
ハスに構えて、受け流してしまいましょう。

イライラするときは、神経が興奮して身体が硬くなっていますので、外の新鮮な空気を吸いに出たり柔軟体操をしてリラックスするように努めます。
首や肩を回す、後屈して腰を伸ばす、これだけでもイライラはかなり解消されます。
要は、辛いことにかこつけて、じっとしていないことが、禁煙方法のコツだと思います。
そのうち、「タバコが吸えたら、すべて解消されるのに、私は一体なんで我慢しているんだろう、1本くらいなら吸ってもいいんじゃないかなぁ。
」という悪魔のささやきが聞こえてきます。
これは貴方の本心ではありません、ニコチンが貴方の禁煙を阻止しようと、貴方の本心を欺いて、貴方に言わせているのだと思ってください。
これは、ニコチンの断末魔の誘い水です。
色々つらい症状を経験させても、なお耐え忍んでる貴方に対して、最後の悪あがきをしているのだと考えてください。
禁煙が継続できるか否か、ここが最初の勝負の分かれ目です、「1本吸ったらどうなるんだろう」とじっくり考えてみます。
貴方は、1本吸ったら気分が落ち着いてイライラはなくなり、他の不快症状も緩和され、もとの通りに戻ることができると考えているはずです。
もっと正確に言えば、そう考えるように、タバコに誘導されています。

しかし「気分が落ち着いてイライラはなくなり」は大きな間違いです。
気分が落ち着くのは、タバコによって再び脳が犯されるからに他なりません。
貴方の脳は、始終タバコに犯されっぱなしだったのです。
よく考えてみてください、タバコを吸ってもタバコが切れれば、またイライラしてくるのは明白なんです。
今の貴方の気分をかき乱し、イライラの原因を作っているのは、取りも直さず貴方のタバコなのですから。
健康を考え禁煙を決心した貴方が、大切な脳に対するタバコの蹂躙を観て見ぬ振りをするのでしょうか。
タバコは美女の装いをした毒蛇の如く、貴方を狡猾なうそでたらし込み、貴方の健康に赤い舌を出します。
「もとの通りに戻ることができる」その通り。
短い期間ではあっても、せっかく手にした禁煙効果をふいにして、ほんの刹那の快楽のために、再びタバコの奴隷と成り果てるのです。
タバコの赤い舌を引っこ抜ければ、貴方は禁煙できます。
禁断の1本により、偽りのリラックス状態を維持できるのは、タバコ1本分のニコチンが貴方に作用している、高々20〜30分の間だけです。
ですから、せっかく何日か禁煙できても、1本吸ってしまったら2本3本・・何十本と吸う羽目になるのは明白です。

したがって、1本くらいと思い始めたら、折角始めた禁煙の危機だと思ってください。
ここで堪えることができたら禁煙の80%は達成できると考えてください。
身体中ギシギシと不協和音が鳴り響く最中、この1本の誘惑にさえ打ち勝つことができれば、今後の禁煙展開はかなり楽になります。
タバコが吸いたくなったら、5秒、10秒一寸待ってください、必ず収まります。
この数秒間こらえる方法は、都度繰り返し反復すると、タバコを我慢することがくせになり、我慢の程度も次第に軽くなります。
しかし油断は禁物、仮に数ヶ月間禁煙できても、この「1本だけなら」の誘惑は、しばらくの間つきまとって離れてくれません。
その時は、タバコのうそと、タバコに蹂躙されている、貴方の脳の悲惨さを思い起こしてください。
また、禁煙継続方法として、何か身体を動かすスポーツを始められたらいいと思います。
自分ひとりで行うものは、途中で挫折してしまう可能性が高いので、できれば確かな指導者について上達振りが目に見えて確認できるもの、例えば空手などの武道系をおすすめします。

タバコを吸っていると、体力的についていけなくなりますので、そのうちタバコなんぞ見向きもしなくなります。
これは45歳から始めた私の禁煙継続方法の一つでもあります。
禁煙継続方法というより、今ではタバコに代わる日課になっていますね。
但し、初の禁煙トライアルで、未来永劫タバコとオサラバできる可能性は極めて低いと思われます。
肝心なのは、たかが1回2回、禁煙に失敗しても諦めないことです。
私なんか、禁煙してまだ1年一寸ですから、大きなことはいえませんが、4回も失敗しています。
失敗に教訓を得ながら、自分なりの禁煙方法を見つけるのも、効果があると思います。
貴方独自の禁煙方法を見つけたら、私にも教えてください。
諦めない限りは必ず禁煙できます、禁煙しようと決心したその気持ち〜貴方の健康への気遣い、周囲への思いやり〜が、何より素晴らしいことだと思います。
また、失敗の経験を無駄にしないためにも、禁煙日記をつけましょう。
あの時はここで失敗したから、今度は注意しなくちゃ、とかいろいろ参考になり、成功のための対策が立て易くなりますよ。
がんばってくださいね。