禁煙と便秘

先頃、仲間内で禁煙すると便秘になるのが嫌で禁煙が続けられない人がいるらしいという話を聞きました。
なぜ禁煙で便秘になってしまうのでしょうか。
医学的な見地からは、アセチルコリンという神経伝達物質がニコチンに置き換えられることから生じる作用といわれていますが、そのような専門的な素因を考慮しなくても、もっと簡単にたばこによる消化器官などへの刺激がなくなったため、排便を促すシグナルが出なくなったということではないでしょうか。
食後の一服最高ですよね。
食事がすんで待ってましたとばかりにタバコに火をつけ、身体の中にニコチンをとりいれると内臓が刺激を受けて便意を催す。
これまで、何年もの間植えつけられてきた習慣が禁煙によってパタリと途絶えれば、一連の連鎖反応が滞って便秘になってしまうのもうなずけますね。
でも、ここで禁煙をギブアップしてしまうのは本当にもったいないことです。
なんとなれば、今便秘で悩んでいても時間がくれば「あの時はいったい何だったの?」と笑って振り返る日が必ずやってくるからです。
陳腐な例で恐縮ですが、水の沸点を考えてみてください。
水は100度に熱せられないと沸騰しません。
たった1度しか違いがありませんが、99度ではダメなのです。
私は禁煙が原因と思われる便秘の事例をたくさん知っています。
せいぜいもう2〜3週間我慢できれば、何か別の要因がない限り便秘は必ず解消できます。
何も便秘に限ったことではありませんが、禁煙の禁断症状にはいろいろ厄介なものが多いです。
イライラする、お天道様がカンカンに照っている日中でも眠くなるなど、もしかしたら貴方も経験されたことがあるのではないでしょうか。
しかし、厄介な代物ではありますが、これらの症状はみな健全な健康状態を取り戻すための前兆なのです。
便秘もしかり、これまでの連鎖パターンが途絶えて身体の内部が鳩が豆鉄砲を食らったように面喰っているんだ位に考えたらいいと思います。
タバコを覚えた時のことを思い出してみてください。
きっと「こんなもん、なにがよくて大人は吸っているんだ?」と考えてしまうほどタバコは不味くありませんでしたか。
でもそのうち慣れっこになってしまいましたよね。
タバコを吸う前の健全な状態にBACK TO THE FUTUREするということは、この過程を遡るということではないでしょうか。
あなた人生の転機を変えるためには時として忍耐も必要です。
がんばってくさい。