藤の花
4年前、山から苗木状態で採取してきた藤の木に今年初めて花が咲きました。
咲いた藤の花は、3房だけでしたが、うれしくてうれしくて、阿倍清明よろしく、それぞれの花に名前までつけてしまいました。
フジ(藤) は、マメ科蔓性の落葉木本であるフジ属の総称で、またその中の1種の種名でもあります。
4月後半から5月の初旬にかけて、淡紫色または白色の花を房状に垂れ下げて咲かせます。
藤(フジ)属は、日本、東アジア、北アメリカに自生し、日本固有種としてはフジ(ノダフジ)とヤマフジの2種があります。
この他、中国ではシナフジ、欧米ではアメリカフジなども栽培されています。


藤のニックネームには、「さのかたのはな」「むらさきぐさ」「まつみぐさ」などいろいろありますよ。
見栄えを楽しむ園芸品としては、藤棚に仕立てられることが多いですね。
自然界では、藤はつる性ゆえ、樹木の上部を覆って光合成を妨げたり、幹を締め付けて変形させ、木材の商品価値を損ねることがあります。
なので、人為的に管理された植林地では、藤(フジ)のツルは根こそぎ刈り取られる憂き目にあいます。
視点を変えれば、手入れのされていない山林では藤の花をたくさん観賞できるということです。
近年、日本の山林で藤(フジ)の花が咲いている風景が増えてきた要因として、木材の価格が下落したことによる山林の管理放棄や、藤蔓細工ができる職人が減少したことが挙げられています。
ところで、皆さん、藤の花つきの逆バージョン、のぼり藤(ルピナス)をご存知ですか。
藤の花を逆様にしたような花をつけた色彩バリエーションの豊富な花です。
青森の八戸にある鯉艸郷という菖蒲の花で有名な観光地に行けばたっぷり見ることができますよ。
私の住まいする近辺では、屋敷の中に藤の花を植えてはならないという風習があります。
藤の花は不治の病につながり、縁起がいいものとは言えないとか。
まあ、美しい花であるがゆえに、不吉めいた話も似合うのでしょうね。
最後に、藤の花を余すことなく鑑賞したい方には、秋田の藤里町がおすすめです。
今年は6月の初旬に素晴らしい野生の藤を堪能することができました。
カッコウやカジカが鳴きかう中、紫色の「蜜虫」を飽くまで堪能でき、素晴らしい思い出を残すことができました。