禁煙と肺の関係

禁煙をしばらく続けると肺の機能は徐々に回復してきます。
ある喫煙に関する統計では、一日20本たばこを吸う標準的な喫煙者が肺がんに罹患して死亡する確率はだいたい1割程度だそうです。
さらに、心筋梗塞や脳卒中などのたばこ関連疾患に罹って死亡する確率はなんとほぼ50%といいますからちょっと驚きですね。
ルシアンルーレットだってこんなに高い的中率ではありませんね。
鉄砲の弾を詰める穴はせいぜい6つで確率は2割にも満たないですからね。
特に若い方、貴方は自分の健康を過信していませんか。
私も若い時分にはショートホープやキャビン(マイルドではありません、真ッ黒いパッケージのとても強力なやつです)を肺に穴が開きそうなくらい、深くたくさん吸いこんでいましたが、体が頑強なせいかその当時は全く何ともありませんでした。
また、今思い出しても身ぶるいがしますが、酒を飲む時は、あたかも酒の肴のようにタバコを深く肺に吸いこみながら「たばこで飲む酒はきくな〜」なんて楽しんでいたものです。
それがどうでしょう、40も半ばになると息切れが激しく、情けないことにちょっときつめの運動にはついていけなくなってしまいました。
そして、手足の先に血が通わなくなる感覚がじわじわと訪れてきます。
タバコをやめた今でも右手の手首から先が左手と違って冷たくなっています。
貴方はタバコで汚れた肺の写真をご覧になったことはありますか?本当にみるだけで身震いしたくなるような悲惨な肺の状態ですよね。
だれでもこんな状態はいやだと思うでしょうが、いざたばこをやめようという段になれば足踏みをする人がほとんどです。
なぜでしょうか?なぜ、意志はあっても行動に移さないのでしょうか。
私は意志の強い弱いの問題ではないと思います。
それぞれの心の中は、若い人は「禁煙するのはもう少し吸い続けてからでも遅くないだろう」年配の方は「今更禁煙してもな〜」ではありませんか?「もう少し吸い続けてからでも」常習喫煙者はいつも「もう少し、もう少し」と考えていますが、ほとんどの場合、この「もう少し」はいつまでたっても現実のものにはなりません。
そうでしたね、私にとっては現実逃避のためのもう少しでした。
また、「今更禁煙してもな〜」確かに、禁煙したからといって肺の機能がすぐに回復することはありませし、おそらくは喫煙前のきれいな肺に戻ることはないでしょう。
しかし、当たり前すぎて申し訳ありませんが、以後禁煙するということは、たばこを吸い続けていくことより肺にとっては「ましなこと」です。
かつての私がそうだったように、どうやらこの「ましなこと」が幾分しょぼ臭くてお気に召さない方がたくさんおられるようです。
タバコが原因で亡くなっても、タバコは私がやりましたといいう証拠は絶対に残しません。
老衰で亡くなったのかタバコにやられたのかは誰もわかりません。
でも、ありえないことですが、仮に解剖して肺を見たら癌ができていたというケースはたくさんあるでしょうね。