禁煙と痰

一般論として禁煙すると咳や痰が増えたように感じることが多いと思います。
もちろんたばこを吸っている時も咳や痰はひっきりなしに出ているんですが、いかんせんタバコの毒にやられているので、感覚が麻痺してしまいその存在に気づくケースがまれなんです。
ところが禁煙すると、だいたい3日くらいで呼吸機能が本来の働きを取り戻してくるので、のどや食道などのヒダヒダが勢いを吹き返し、いわゆる繊毛運動が盛んになってきます。
タバコを吸っている間はこの働きが鈍っていたために、痰などの切れが悪かったり、最悪痰の存在自体にすら気づかないこともあるのですが、禁煙をして3日くらい経つと俄かに体内機能は本来の機能を取り戻して、体内の毒素を身体の外に排出しようと一生懸命に働きだします。
そして、同時にこの頃が禁煙に失敗しやすい時期でもあります。
禁煙を3日我慢できて(そうです、ここまでの禁煙のコツはひたすらタバコを吸いたい欲求を我慢することにつきます)、たばこを吸いたい気持ちをやり過ごすことができたら次の目標は1週間〜これが達成できたら禁煙の可能性はうんと広がっていきますよ。
さて、禁煙するとほとんどの人は痰が多く出るようになったと感じるようですが、今まで考察してきたように、これは至極当然のことで、たばこの影響で麻痺していた神経が正常に戻ることによって繊毛運動が活発になっただけなんですね。
これまで呼吸器にべったりとへばりついていた痰が、禁煙を皮きりにぞくぞくと出てきたというわけです。
したがって、禁煙によってもたらされる、貴方がかつて経験したことのないような痰や咳は、身体を浄化しようとする身体の反応ですから、症状が辛いからといって気管支拡張剤や咳止めなどを服用して強制的に咳や痰を止めてしまうのは、せっかく身体の外に出ようとする膿を無理に抑え込んでいるようなものなのでやめたほうがいいでしょう。
反対に痰や咳が出やすくする方法〜あめを舐めたり、うがいをしたりして口の中や喉を潤す方法を選んで、不快感が自然に去っていく方法を考えた方がいいと思います。
痰の色をよく観察してみてください。
禁煙したての頃は真っ黒だった痰が徐々に透明に変化していくのが解ると思います。
ぜひ、この色の変化を見ながら自分の身体の中もきれいになっていくと念じてください。
「どうせ無駄だ」なんていう虚無感は捨てて、ぜひあなたの禁煙の可能性を信じてください。