山ぶどうジャムの作り方

私の家内が得意としている山ぶどうジャムの作り方をご紹介します。
以下、家内のメッセージをそのままお伝えします。
山ぶどうはたいへん滋養に富む山の幸ですが、山の奥深くに自生する果実ゆえ採取が困難であり、また加工に手間がかかるので、あまり市場には出回っていません。

また、非常に希少性があるものなので値段が高いのも、お店で見かけないひとつの原因でしょう。
しかしながら、私はここ数年来、毎年秋になるとこの山ぶどうをいやというほど目にしてきました。
私の夫は大の山好きで、春は山菜、秋はきのこや木の実など年から年中山を縦横無尽に駆け回る山菜とりの達人です。


私の夫は、住んでいる周辺の山ぶどうは味が薄くてだめだと白神山地がある藤里町や岩手の山奥まで足をのばしています。
私は、若いころは都会にあこがれていましたので、正直なところこんな田舎には嫁ぎたくありませんでした。
最初のうちは夫が山から持ち帰る山菜や木の実を見るにつけ、下ごしらえや後始末にうんざりしたものでしたが、もともと料理には興味があったので、山ぶとうなど自然の素材が秘める魅力に惹かれ、山菜料理や果実加工に精を出すようになりました。

現在も病院で栄養士として勤務しておりますが、たまに患者さんにも四季を訪れを感じていただくためにちょっとした山菜料理を手作りして食べていただいております。
今年も山ぶどうのシーズンを迎え例年通りに我が家で自家消費するための山ぶどうジャムやジュースを作りましたが、今年の山ぶどうは例年になく豊作で加工品もたくさん作ることができました。
といいますか、ご近所にお分けしてもあまるほど作りすぎてしまいました。

砂糖以外の添加物は一切使っていないため、山ぶどうジャムの賞味期限はせいぜい1年くらいです。
食べきれずに捨てるのはもったいないので、ご関心を持っていただいた方に原価でお分けししています。
ご希望の方はメールでご照会ください。(⇒すみません、今年の分はすべて引き取り先が決まってしまいました。witten 2010年10月13日)
仲間内やご近所での評判はなかなかいいんですよ。
山ぶどうは、房から一個一個丁寧に離してボールなどに入れていきます。

この時、指に力を入れすぎて山ぶどうの粒をつぶしてしまったり、何個も一緒に房から離そうとして皮を裂いてしまわないように注意しています。
たいへん手間がかかるので根気が必要な作業ですが、良質の山ぶどうジャムを作るためには欠かせない行程です。
房から離した山ぶどうの粒は、水に打たせて、かきまぜたり、すくうようにしながらよく洗い、虫やゴミ、ほこりなどを洗い流します。

次に、ザルなどで受けて十分に水切りをします。
ザルの縁を同じ長さの円周をもつ底が深いボールの縁に寄り掛けて、滴り落とすように水切りを行います。
十分に水切りを行ったら、ぶどうの粒を鍋に入れて、焦げないように時々かき混ぜながら、グツグツ煮立つ程度まで加熱します。

火を止めて、木べらで山ぶどうの粒を押しつぶしていきます。
山ぶどうの滋養成分ポリフェノールは皮の部分に多く含まれていますので、私は最初からサラシやガーゼで濾さずに、鉄製の濾器を使って徹底的に山ぶどうの粒をつぶします。
そのあとは、種と皮の残骸が山ぶどうエキスに混じらないようにガーゼなどで濾します。

濾した山ぶどうエキスに砂糖を加えて、鍋でトロトロになるまで煮詰めていきます。
砂糖の分量は、山ぶどうエキス1リットルに対し500グラム程度を目安にしています。
レモン汁を少々加えると、冷めた時に適度な粘りをもつジャムに仕上がります。
ジャムを入れる容器は、蓋をビンから離して熱湯で煮沸消毒します。

鍋から取り出してすぐ山ぶどうジャムをビンに入れ蓋をして、ビンをさかさまにした状態で冷まします。
こうすることで、ビンの中が真空状態になりカビなどの発生を防ぐことができます。
ビンの蓋のねじ溝の不具合や締め具合によってはこの真空状態が保てなくなる場合もあります。
その場合は、冷めた後のビンの蓋がぽこっと上に膨らんでいます。
ビンの蓋が中に吸い込まれるように少し凹んでいればうまくいった証で、1年くらいは保存が効きます。
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